俺のアスナに触るな(後編)
前回までのあらすじ
http://oharumo703.hatenablog.com/entry/2018/08/25/224708
渾身の構築が完成し一発芸大会に臨む組長と黒の剣士キリト。
果たして優勝商品ダイスプロモは誰の手に……
――――――――――――
「一発芸大会参加希望の方は前の方に集まってくださーーーーーい」
会場内に司会進行のアナウンスが響く。
例年、一発芸大会は予選の最中に行われたり本戦全てが終了した後に行われたりばらつきがあったが、今回は終了後に行われた。
私は本戦には出場していなかったため空いた卓でフリーをしていた。もちろん一番前の卓で。
集合する参加者の顔ぶれを見る。よし、と心の中で拳を握る。メタ読みは完璧だった。
今回の参加者は大方の予想通りキキカイカイ選手、G選手、あっきー選手、そしてここに組長と黒の剣士キリト。
※画像はイメージ
いつの間に着替えたのか、二本の剣を携えて私服の組長と堂々と壇上へ近づく光景はあまりにも異様だった。
順番決めの結果、組長たちは2番目。正直ここは最後を引きたかった。
一番手、キキカイカイ選手、例年細すぎて伝わりづらいけど勢いとタンクトップで破壊するモノマネだが、今回は趣向を変えたのかただ踊っていた。
二番手、組長と黒の剣士キリト。ついに来た………………
「あ!!!!ネタに使うデッキ用意してねえ!!!」
ってオイイイイイイイイ!!!!!!!!何やってんのあいつら!?使う道具用意しとけ!!!!!!
グダグダしたがようやく整った、以下は全文動画より書き起こし。ようやく始まる……。
組長「え〜、気を取り直して、嫁のスリーブのファローシャッフルを拒否される黒の剣士キリト」
?????????
拒否するのはキリトだ!落ち着け組長〜……!
キリト「はい」
マイクを持ったままデッキ渡そうとしたら
組長「マイクマイク」
組長「手が塞がる手が塞がる」
いいぞ組長、本番を想定した練習は無かったが実際の場面も冷静に対処出来てる……。
組長「対戦よろしくお願いします」
キリト「対戦よろしくお願いします」
よし、このまま……
キリト「俺はこのアスナのスリーブを使います!!!!!以上」
え?
静まり返る会場
キリト「あっやっちまった」
キリト〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しっかりしてくれ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……
組長「そういうのいいっす……」
組長の言う通りだぞ
気を取り直して
組長「あの、ファローシャッフルしますね」
キリト「何触ってんだよ!!」
手で払い除け、床に置いてあった二本の剣を構える。
キリト「俺のアスナに触るなー!うおおおおスターバーストストリーム!!!!!」
なんか想像してた攻撃方と違うがまぁ良い、会場内も一番の盛り上がりを見せる。
組長「ジャッジ!ジャッジ!ジャッジ!ジャッジ!」
ここでジャッジ役として仕込んであったばたおの登場。
ばたお「はい、どうしました?」
「あの、ファローシャッフルをしようとしたら、」(攻撃を続ける)
アスナに興奮したのはわかるが攻撃の手を止めろキリト
「あの~……なんだ、スターバーストストリームを食らってしまったんだけどこの場合の処理ってどうしたらいいですかね」
「う〜〜〜ん、失格!!!!!!」
会場のボルテージはMAXに。ネタは知ってるはずなのに普通に面白い。
キリト「うわあああああ!!!!!!!!」
よしこれは貰った。心の中で二度目のガッツポーズ。
「勝った勝った勝ったこれは貰った!」
「優勝もらった!」
いやその場で言うなよ!
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会場内はすっかり組長とキリトの雰囲気に。
かく言う私もそうだった。これは貰った。
三番手はGさん。ネタはDIOとザ・ワールドに遭遇したミッキーマウス。
お面が顔のサイズに合ってなくて顔がはみ出てた時点で面白かったが、中身も普通に面白かった。ていうかミッキー上手いなこの人。
四番手はあっきー。ネタは恒例の引いたカードモノマネ。
誰がカードを引くかジャンケンした際に勝った組長が
これやってた時が一番盛り上がってたのは笑った。
――――――――――――
これにて参加者全員のネタが終了。
毎回会場内の拍手で勝者を決める。
組長とキリト、流石に会場の過半数が拍手。いや、流石に貰った。
直後すごい音の拍手が響きわたる。
あれ?これは……
結果、僅差でGさんの優勝が決まった。
夏が終わる。
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惜しくも敗れた組長と黒の剣士キリト。
今回の反省点として2点挙げられる。
まず一点目が余裕を持って臨むこと。いつ始まるかもよく分からない感じだったが準備の段階で余裕を持って臨めば見てる人も内容に落ち着いて入れる。
準備はしっかりと。
そして二点目が、黒の剣士が陰キャっぽい喋り方だったこと。今回はネタの都合上マイクを使うことが出来なかったため声を張るしかなかった。
組長に関しては、まぁ人間拡声器みたいな感じだしマイク使った方がむしろうるせえから使う必要がない。
だが黒の剣士に関しては普段声を張らないオタクが急に絞り出したみたいな声になり、陰の鼓動を感じた。
私は黒の剣士とはそこそこ長い付き合いだが、最近薄々と彼が陰キャ大学生なのではないかと感じる部分があった。その点で原作の黒の剣士キリトとのギャップが生じてしまい、今回の結果になったと考えられる。
そのため、彼にはまず陽キャになってもらうところから始めようと思う。
今回は非常に残念だったが、メタ読みと構築で一発芸大会も勝ちに行けることが分かった。これは大きな進展である。
是非来年以降も多くのDMPが一発芸大会に参加してくれることを心から願っている。今からが楽しみだ。
PS.特に深い意味の無い四コマ漫画です。
8月30日
はるも